学童外来
小学校生活において担任の先生から学習や行動の問題を指摘されたり登校を渋ったりすると、この子は大丈夫かしら?と、急に心配になってしまいます。家庭生活でも会話が幼かったり動きが多かったりと、能力や行動面で気になることは多く見つかります。
それでも、これらのほとんどは将来にわたって心配するようなことではありません。それが証拠に、半年か一年もすればいつの間にか気にならなくなってしまうものばかりです。ですが、他のお子さんと異なる行動には特性という理由があって、その特性を理解することで子育てにおける大切なことを教えてくれます。
気になる行動の意味を特性という点から理解して、子育てにぜひお役立てください。また、学校が楽しくなさそうな場合は、学校側と特性に関する情報の共有がスムースな学校生活に大きなメリットをもたらしますので、お子さんのメンタル面を心配される場合もぜひご相談ください。
特性とは?
標準的な脳の働きとは異なる特徴を持つことによって発達や行動、心理面でユニークなふるまいをすることを特性と呼びます。いくつかの特性が明らかになっていますが、現時点では自閉スペクトラム症と注意欠如多動症という2つの特性グループを理解するよう勧められています。
特性は個性の基になる脳の特徴と考えられており、ほとんどが両親から受け継いだものです。そういった特性を持つご両親が立派に社会人をされているのですから、お子さんだけ将来を心配する必要はありません。ただ、特性に加えて知的な遅れを伴う場合はそうとは言えません。
知的な能力は、どんな場合にも人生に少なからず影響を与えるものだからです。クリニックでは特性と知的能力を診断し、お子さんの気になる行動や保護者さまの心配な点について理解を深めていただきます。そして、ご家族みなさまがハッピーになられる子育てを提案し、全力でお支えしてまいります。
自閉症スペクトラムとは?
自閉スペクトラム症とも呼びます。ヒトへの関心が薄く、モノやコト(事実)に関心が向きやすい特性で、10人のうち1人はこの特性を持つようです。ヒトの気持ちやヒトと関わることに関心が薄いので、コミュニケーションが苦手だったり、周りの影響を受けにくく「マイ・ワールド」を保ち続け、こだわりが目立ちかんしゃくが激しかったりします。
大人になったら「マイ・ワールド」で勝負し有利な点も多いのですが、小学校や中学校では標準化圧力(みんなといっしょにしなさい)に苦しむことが多いので、この特性を理解した子育てが大切になります。
注意欠如多動症とは?
ADHDの略語で有名です。「ドラえもん」の登場人物であるジャイアンやのび太君に例えられることも多いのですが、その本質は「ガマンが苦手」というものです。
ヒトの行動は未来予測(これをしたらこうなりそう)によって実行するかどうか決めることが多く、ポジテイブな未来予測を「期待」と呼び行動が加速され、ネガテイブな未来予測を「不安」と呼び行動にブレーキをかけますが、この特性は「未来予測が弱い」という特徴があります。未来予測(期待感や不安感)が弱いため、未来予測に基づいて今の欲求を抑え込むこと(ガマン)が苦手です。
したがって、こうしたい欲求が優りガマンできないように見えるのです。不注意や多動が問題になるのですが、もとは未来予測が弱いことに原因があります。ガマンできないと将来が心配になってしまい叱ることが増えてしまうのですが、この特性を理解し適切に対応することで、子育てがたいへん楽しくなっていきます。
知的能力症とは?
学習に身が入らず勉強が進まなかったり、お友だちがいなくて独り遊びが多かったり、登校を渋るようになったりと、お子さんの小学校生活で気になることは多々みられます。こういった勉強面や心理面が気になる時、特性が背景にある場合と知的な遅れが理由の場合があり、その両方が問題のこともあります。
特性だけが問題なら対応のしかたや子育ての方針だけで大きく改善しますが、知的な遅れがあるお子さんには特別なサポートが必要になります。知的な遅れがあるお子さんを知的能力症と呼び、その診断には知能検査が必要です。
知能検査は特性があるお子さんと特性が明らかでないお子さんの違いによって、結果の数字から読み取る意味が異なる場合がありますので、注意が必要です。
症状
授業中に立ち歩く
授業中に席から離れる、無断で教室から出ていく、退屈だと友だちにチョッカイをだす、ヒマだと悪さする、同じ姿勢を保つのが苦手、常に手や足を動かす、静かに聴くのが苦手、ヨソの物でも平気で触る、・・・など。特性、知的ともに原因として考えられます。
想定外に混乱する
ルチンが崩れるとイヤ、予定が変わるとパニック、手順が違うと怒れる、慣れるまで時間がかかる、予定の変更は前もって教えてほしい、予定調和が安心、急な変更に対応できない、臨機応変は苦手、・・・など。安心感や自信が不足気味のサインかもしれません。特性、知的とも背景にある原因として可能性があります。
叱られると激高する
ダメと言われるとわざと反対のことをする、否定されると反発する、認められなくても我を通す、けなされたりからかわれると逆上する、一方的に指示されることが気に入らない、こだわりが強くて融通がきかない、・・・など。安心感や自信が不足気味のサインかもしれません。特性、知的とも背景にある原因として可能性があります。
約束を守れない
指示を聞いておらず叱られても気にしない、興味が移り易い、途中で投げ出す、注意されても聞き流す、時間を守れない、忘れ物が多い、約束を忘れる、・・・など。特性、知的ともに原因として考えられます。
ゲームばかりしている
現実の世界が楽しくない、現実の世界はストレスが多い、現実の世界では安心できない、現実の世界では自信が持てない、叱られる以上にイヤなことがある、昼夜が逆転している、・・・など。安心感や自信が不足気味のサインかもしれません。特性、知的とも背景にある原因として可能性があります。
ヒトへの関心が薄い
口数が少ない、友だちが少ない、関わりが苦手、褒められても喜ばない、叱られてもへこまない、家で話すが学校ではしゃべらない、授業中に分かっても手を挙げない、どもる、・・・など。特性、知的ともに原因として考えられますが、メンタル面の問題が重なっているかもしれません。
学習が遅れる
学習内容が理解できない、勉強をする気が起こらない、宿題がはかどらない、作文や読書感想文が苦手、読み上げだけが苦手、字を書くことだけ劣る、オープンクエスチョンに答えられない、自由課題で何をするか思いつかない、聞いただけでは理解できない、いちど聞いただけでは覚えれない、・・・など。特性、知的ともに原因として考えられますが、メンタル面の問題が重なっているかもしれません。
友だちとトラブル
関わり方が一方的でグイグイいく、友だちとの距離感が分からない、気に入らないとダイレクトに伝える、イジメにあう、無視される、顔を合わせたくないクラスメートがいる、学校ではしゃべらない、・・・など。特性、知的ともに原因として考えられますが、メンタル面の問題が重なっているかもしれません。
登校しぶりがある
朝起きれない、朝の登校準備に時間がかかる、通学団の集合時間に間に合わない、教室に入れない、学校に行こうとすると腹痛や頭痛が生じる、休むと決まれば家では元気、・・・など。安心感や自信が不足気味になっているサインかもしれません。特性、知的とも背景にある原因として可能性があります。